『スパイダーマン』シリーズを手がけたInsomniac Gamesの新作『Marvel’s Wolverine(マーベルズ・ウルヴァリン)』が、2026年9月15日にPS5向けに発売されます。2021年の発表から実に5年、2023年の大規模ランサムウェア被害による情報流出騒動、そして長い沈黙を経て、2025年9月についに初のゲームプレイトレーラーが公開されました。さらに2026年7月17日には新たなシネマティックトレーラー「Ain’t No Hero」が公開されたばかりで、SNS上では発売2ヶ月前を切ったことへの期待の声が急増しています。本記事では、待望の理由からストーリー・登場キャラクター、東京が舞台になった意外な経緯、進化した戦闘システム、価格・予約特典まで、現時点で判明している最新情報を徹底的に解説します。

5年越しの発表―『スパイダーマン』チームが手がける待望作

本作が初めて発表されたのは2021年9月、PlayStation Showcaseで『マーベルズ・スパイダーマン2』と同時に公開された際のことでした。当時は「ごく初期の開発段階」とされ、その後は公式からの続報がほとんどないまま長い沈黙が続きます。2023年12月にはInsomniac Gamesが標的となった大規模なランサムウェア攻撃が発生し、本作の未完成のプレイ映像やストーリー設定を含む開発資料が一時的にネット上に流出するという事態も起こりました。

そうした紆余曲折を経て、2025年9月のState of Playでついに初のゲームプレイトレーラーが公開され、発売時期が「2026年秋」として発表されます。2026年6月のState of Playでは発売日が正式に9月15日と確定し、予約受付もスタート。そして本記事執筆直前の2026年7月17日には、新たなシネマティックトレーラー「Ain’t No Hero」が公開されたばかりです。米国の一部劇場では、クリストファー・ノーラン監督の新作映画『オデュッセイア』の本編上映前にもこのトレーラーが流されるなど、ゲームの枠を超えたプロモーション展開も話題を呼んでいます。発表から5年、ようやく全貌が見えてきた本作への期待は、発売が近づくにつれてさらに高まっています。

ストーリーの舞台―チームXへの帰還とミュータント狩り

物語の主人公は、アダマンチウムの爪と圧倒的な回復能力(ヒーリングファクター)を持つミュータント、ジェームズ・”ローガン”・ハウレット、通称ウルヴァリンです。本作はコミック原作の『X-MEN』をそのまま踏襲するのではなく、ゲームオリジナルのミュータント特殊部隊「チームX」を軸にしたオリジナルストーリーとして展開されるのが大きな特徴です。ローガンは3年前に離脱したチームXへと再び合流し、サイボーグ傭兵集団「リーヴァーズ」に捕らえられたミュータントたちの行方を追うことになります。

事件の黒幕として立ちはだかるのが、過激な思想を持つ大富豪の実業家ボリバー・トラスクです。捕らわれたミュータントたちの新たなリーダーとして、強力なテレキネシス能力を持つジーン・グレイも登場し、ローガンと行動を共にしていきます。開発ディレクターのマイク・デイリー氏はインタビューで、本作が『スパイダーマン』のようなオープンワールド探索型ではなく、ミッションベースでストーリーを追っていく設計を採用したと明かしており、「コミックブックを読み進めるようなテンポ感」を意識したとコメントしています。世界を転々としながら戦うウルヴァリンというキャラクター性を、ゲーム構造そのものに落とし込んだ格好です。

登場キャラクターと「赤いスーツの男」の正体

トレーラーで存在感を放っているのが、正体不明の変身能力者ミスティーク、そして怪力無双の能力者オメガ・レッドです。両キャラクターとも原作コミックではおなじみの顔ぶれで、ある者はローガンと肩を並べる仲間として、またある者は容赦のない猛攻を仕掛ける敵として物語に絡んでいきます。さらに獣のような俊敏さと凶暴さを併せ持つ宿敵セイバートゥースの登場もティザーされており、ファンの間では両者の因縁の対決に期待が寄せられています。

なお、トレーラーに登場する赤いスーツの男性キャラクターについては、SNS上で「デッドプールではないか」との憶測が飛び交いましたが、ディレクターのマイク・デイリー氏はインタビューで「あの赤い男はデッドプールではない」と明確に否定しています。本作オリジナルの世界観に登場する、別のキャラクターであることが示唆されており、正体は発売後のお楽しみとなりそうです。

カナダ・マドリプール・東京―3つの舞台とフォトグラメトリー取材

本作の舞台は世界各地に広がります。雪深いカナダの荒野からスタートし、マーベル世界の犯罪都市として知られる島国マドリプール、そして意外にも日本の東京が主要な戦いの舞台として登場します。トレーラーでは、ネオンが輝く夜の繁華街や狭い路地裏など、東京らしい猥雑な雰囲気を色濃く再現したステージが公開されており、国内のファンからも大きな反響が寄せられています。

ファミ通のインタビューによると、開発チームは原作コミックにおけるウルヴァリンと東京との深い関わりを踏まえ、実際に日本各地で現地取材を実施したとのことです。フォトグラメトリー技術を用いて実在する場所のテクスチャをスキャンし、「日本人プレイヤーにも納得してもらえる東京の世界」を作り上げることに注力したと語られています。海外スタジオが手がける作品でありながら、日本のプレイヤー目線を強く意識した作り込みがなされている点は、本作の隠れた見どころのひとつと言えるでしょう。

進化した戦闘システム―レイジ・ヒーリングファクター・環境インタラクション

戦闘面では、『スパイダーマン』シリーズとは一線を画す、接近戦特化の重厚なアクションが特徴です。「トルネードスピン」や「ブルラッシュ」といった特殊攻撃「テクニック」を駆使し、攻撃の成功やパリィ、敵の撃破によって蓄積する「レイジ」ゲージを使ってヒーリングファクターを強化したり、より強力な攻撃を繰り出したりすることができます。レイジが最大まで高まる「レイジレベル3」では、マーベルコミックス「ブラック、ホワイト&ブラッド」シリーズにインスパイアされたというモノクロ演出の暴走状態に突入し、視覚的にも大きな見どころとなっています。

体力が尽きかけた際にはヒーリングファクターを発動して生き延びる「ラストスタンド」システムも搭載。さらに、ジーン・グレイなど仲間のキャラクターと連携して繰り出す「クリティカルストライク」と呼ばれる必殺技も用意されています。マイク・デイリー氏によれば、敵を切りつけると生々しい血しぶきが飛び散り、傷が治癒していく過程まで表現される新しい流血表現も導入されているとのことです。加えて、敵をフォークリフトに突き刺すなど、周囲の環境オブジェクトを利用した特殊アクションも多数用意されており、「試してみないと気づかないようなスポット」もあちこちに仕込まれているといいます。ハイウェイでバイクを乗り回しながらトラックを吹き飛ばし、複数の乗り物を渡り歩いて戦うダイナミックな一場面もトレーラーで公開されています。

対象年齢はCERO「Z」―シリーズ屈指のバイオレンス表現

本作はCERO区分「Z(18歳以上のみ対象)」に指定されており、ゲーム内容も過激で暴力的な描写を含む、成人向けの色合いが強い作品です。開発陣は本作のトーンについて、これまでのInsomniac作品である『スパイダーマン』シリーズと比べて「大幅にダークでざらついた仕上がり」になると明言しており、原作コミックにインスパイアされつつも忠実な再現ではないオリジナルストーリーを展開するとしています。ファミリー向け作品として親しまれてきた同スタジオの過去作とは対照的に、ウルヴァリンというキャラクターの獣性や凶暴さを容赦なく描き切る姿勢がうかがえます。

なお本作はPlayStation 5専用タイトルとして開発されており、PS4版は用意されていません。認知機能・視覚・聴覚・運動機能に障がいを持つプレイヤー向けの充実したアクセシビリティオプションも標準搭載される予定で、幅広いプレイヤーが本作の世界観を楽しめるよう配慮がなされています。

価格・エディションと予約特典を比較

2026年6月3日より予約受付がスタートしており、価格・特典は以下の通りです。

エディション価格(税込)主な内容
通常版8,980円本編(パッケージ版/ダウンロード版)
デジタルデラックスエディション9,980円本編+限定スーツ5種+限定爪5種+テクニックポイント+3(ダウンロード専売)

通常版を予約すると、「クラシック・ブラウンスーツ」と「鏡の爪」の早期アンロック、テクニックポイント+1、ミスティーク・ローガン・ジーン・セイバートゥースをデザインしたPlayStation®アバター4種が特典として付属します。デジタルデラックスエディションでは、これらの予約特典に加えて「インクレディブル」「サベージ」「エイジ・オブ・アポカリプス」など5種類の限定スーツと5種類の限定爪、テクニックポイント+3がまとめて手に入ります。パッケージ版・ダウンロード版ともにPlayStation Storeや全国のPlayStation取扱店で購入可能です。

Marvel’s Wolverineとは?基本情報まとめ

『マーベルズ・ウルヴァリン』は、『マーベルズ・スパイダーマン』シリーズで知られるInsomniac GamesがMarvel Gamesと共同開発する、PS5向けシングルプレイヤー専用のアクションアドベンチャーです。

項目内容
タイトルマーベルズ・ウルヴァリン(Marvel’s Wolverine)
発売日2026年9月15日
対応機種PlayStation 5(PS5専用)
価格通常版8,980円/デジタルデラックス9,980円
開発・発売元Insomniac Games・Marvel Games/ソニー・インタラクティブエンタテインメント
ジャンルアクションアドベンチャー(シングルプレイヤー専用)
CERO区分Z(18歳以上のみ対象)

2021年9月の発表以来、実に5年越しの発売となる本作は、2023年のランサムウェア被害による情報流出という逆風を乗り越え、2025年9月の初トレーラー公開を経て、2026年7月には最新シネマティックトレーラー「Ain’t No Hero」が公開されるなど、発売直前まで着実に情報が積み上げられてきました。オープンワールドではなくミッションベースのストーリー重視設計、原作を再構築したオリジナルストーリー、そして東京を含む世界各地を舞台にした重厚なアクションと、『スパイダーマン』シリーズとは一線を画す作品に仕上がっていることがうかがえます。

まとめ

『マーベルズ・ウルヴァリン』は、発表から5年の歳月を経て2026年9月15日にいよいよ発売される、Insomniac Games渾身の新作アクションアドベンチャーです。チームXへの帰還を軸にしたオリジナルストーリー、ミスティークやオメガ・レッドといった強敵たちとの戦い、そしてカナダ・マドリプール・東京という3つの舞台を巡る重厚な接近戦アクションなど、あらゆる面でシリーズファンの期待に応える作り込みがなされています。2026年6月からは予約受付もスタートしており、7月17日公開の最新トレーラーによって発売への機運はさらに高まっています。CERO「Z」指定の過激な表現がどこまで描かれるのか、続報が入り次第あらためて最新情報をお届けします。